ページの本文へ

Hitachi
お問い合わせお問い合わせ

このニュースリリース記載の情報(製品価格、製品仕様、サービスの内容、発売日、お問い合わせ先、URL等)は、発表日現在の情報です。予告なしに変更され、検索日と情報が異なる可能性もありますので、あらかじめご了承ください。

2023年9月28日
株式会社日立プラントサービス

日立プラントサービスが、熟練者のノウハウをAIによりモデル化した
変化点検知機能を含む設備のクラウド型遠隔監視サービスを提供開始

設備稼働データをもとに、保守業務の効率化、異常時の対応迅速化、施設運用全体の最適化を実現

イメージ図:変化点検知機能を含むクラウド型遠隔監視サービス

 株式会社日立プラントサービス(以下、日立プラントサービス)は、クラウド型遠隔監視サービス(以下、本サービス)を2023年10月から提供開始します。本サービスは協業先*1であるCO2冷媒冷凍機の製造、販売、保守を行う日本熱源システム株式会社(以下、日本熱源システム)との協創活動を通じて実現しました。日立プラントサービスの蓄積してきたOT*2と日立グループのITを活用し、お客さまの設備保守業務の効率化、異常時の対応迅速化、施設運用全体の最適化に寄与します。
 本サービスにより、設備や機器のデータをインターネット経由で日立のクラウドに送信し、複数拠点の設備・機器の一元管理を通して、リアルタイムな遠隔監視が可能です。また、AIを活用した変化点検知機能により、個別に収集した設備稼働データを機械学習し、設備や機器の異常をいち早く把握できます。クラウド基盤は株式会社日立製作所(以下、日立製作所)のIT技術を用いて構築し、セキュアかつ柔軟なクラウド連携を実現します。
 将来的には、省エネ支援やCOP*3の見える化の実装を通して、お客さまのカーボンニュートラルの達成にも貢献します。

*1
2020年12月25日、日立プラントサービスニュースリリース「日立プラントサービスが、日本熱源システムと、自然冷媒として二酸化炭素(CO2)を用いる冷凍機と大型冷凍・冷蔵設備事業に関する協業を開始」(https://www.hitachi-hps.co.jp/corporate/news/20201225/index.html)
*2
OT:Operation Technology(制御・運用技術)
*3
COP:エネルギー消費効率(Coefficient Of Performance)。冷却能力(kW)÷消費電力(kW)にて算出。

背景

 設備の老朽化や故障による生産停止、予算制約や人的リソースの不足、保守員の高齢化、設備の専門スキルや知識の継承、異常発生時の緊急保守対応など、設備の保守メーカーや設備管理部門はさまざまな課題を抱えています。
 それらの解決に向け、日立プラントサービスが長年培ってきたエンジニアリング技術と、設備およびその周辺システムを常時監視するデジタル技術を生かし、本サービスをこのたび開発しました。専門技術を持った保守員による設備の日常点検や状態監視をクラウドサービス化することで、保守員や設備管理者の業務効率化やノウハウのデジタル化による技能伝承などに貢献します。

保有する機能と特徴

(1) 遠隔監視機能……24時間365日常時データを収集し、修繕工数の削減に寄与

 日立プラントサービスの保守技術を活用し、製造現場における様々な設備において、アナログなデータ収集をデジタル化いたします。収集したデータをもとに、設備グラフィック監視、トレンドグラフ、警報一覧表示および警報メール送信、CSV出力といった基本的な機能に加え、お客さまの複数拠点の設備をリアルタイムに地図上で一元管理することができます。
 異常発生時においても、遠隔でデータを確認することにより、一次対応のために現地に赴く手間やデータ収集の工程を削減することで、省力化を図るとともに迅速な対応を可能にします。

(2) 変化点検知機能……熟練ノウハウのデジタル化により異変をいち早く検知し、事業の安定操業に貢献

 日立プラントサービスのOTと、日立製作所のITを活用し、AIにより設備の型式ごとに機器メーカーやユーザーの持つ、保守・保全熟練者のノウハウをモデル化しました。設備運転状態の変化を検知しアラートを出すことで、不具合に至る前の設備異常の早期発見を支援します。また、構築したモデルはデータの蓄積により自動的に再学習され、精度の向上が期待できます。
 システムが熟練者のノウハウを引継ぎ、保守員に代わって常時設備監視を行うことで、設備管理部門やメーカーの保守部門の人的リソース不足や技能伝承の課題を解決いたします。

(3) 拡張性のあるクラウド基盤……セキュアかつ柔軟な環境で、省エネルギー・省人化・業務効率化を実現

 本サービスのクラウド基盤は、日立プラントサービスと日立製作所により独自に構築し、運用しています。
通信経路の暗号化によるデータ漏洩防止や、データの暗号化、ファイアウォール機能や多要素認証による不正アクセス防止、脆弱性検査やシステムリソース確認、ログ取得管理といった運用面の対策など、本クラウド基盤では堅牢なセキュリティ対策を施しています。
 また、クラウド活用により別サービスとの連携をスムーズに行います。例えば、EMS*4やCMMS*5のソリューション、点検業務自動化ソリューションや各種シミュレーション技術との連携により、施設運用における省エネルギー、省人化、業務効率化に貢献する新たなサービスの実現をめざします。

*4
EMS:エネルギーマネジメントシステム(Energy Management System)
*5
CMMS:コンピューター化された保守管理システム(Computerized Maintenance Management System)

日本熱源システムにおけるサービスのDX事例

イメージ図:日本熱源システムにおけるサービスのDX事例

 本サービスは、協業先である日本熱源システムが製造・販売・保守を行うCO2冷媒冷凍機に実装予定です。日本熱源システムが遠隔監視サービスを導入することにより、日本熱源システムの熟練技術者が持つノウハウ・ナレッジをモデル化し、日本熱源システム及びエンドユーザーさまの設備保守業務の負担低減につながり、従来のおよそ2倍の業務効率化を図れます。
 現行の日本熱源システムによるCO2冷媒冷凍機の保守サービスでは、警報発報時の保守対応と年1回の訪問による定期点検を行っています。本サービスを導入し24時間/365日設備データを収集することで、設備保守員が現場に訪問しなくても、お客さまの設備管理部門、日本熱源システムのサービス拠点や全国集中監視センターで設備情報をリアルタイムに共有することが可能となります。また、保守員のノウハウに基づく機械学習モデルにより、状態の変化を自動的に検知します。警報が出た際には、収集したデータから要因を分析することで、現場作業を迅速化、効率化します。設備・機器ユーザーの安心な施設運用と、設備状態を考慮したCBM*6を実現します。

*6
CBM:Condition Based Maintenance(状態基準保全)

遠隔監視サービスでめざす未来

 日立製作所および日立プラントサービスは、インフラ施設や工場の設備保全業務を支援するクラウド基盤の構築を進め、AI、センシング技術などのITとインフラ運用のOTの知見をモデル化して活用するソリューション、サービスを拡充し、設備全体の監視・保全管理を支援するUaaS*7を提供してまいります。日立の誇る技術を集結させ、現場と経営、企業と企業、人と産業の間の「際(きわ)」*8をつなぎ、持続可能な社会とお客さまの事業価値向上に貢献します。

*7
UaaS:Utility as a Service(工場付帯設備の運用支援サービス)
*8
「際(きわ)」は、株式会社日立製作所の日本における登録商標です。

日立プラントサービスについて

 日立プラントサービスは、空気、水、エネルギーなど幅広い分野でお客さまのさまざまなニーズにお応えし、快適な社会の実現をめざす総合エンジニアリング企業です。各種プラント・工場設備のエンジニアリングからメンテナンスサービス、リニューアルまでを提供し、また、デジタルイノベーションを加速する日立のLumadaとの連携による設備運用の効率化ソリューションなどを通して、お客さまのビジネスの成長と、社会課題の解決に貢献します。

お問い合わせ先

株式会社日立プラントサービス 経営戦略本部 経営企画部
〒170-6034 東京都豊島区東池袋3-1-1 サンシャイン60 34階
電話:03-6386-3434

以上