産業水処理設備
当社では、豊富な実績と独自技術を核としたトータルエンジニアリングにより、幅広い分野のお客さまに向けて、規制に対応した排水処理設備、用水・純水の製造設備、排水リサイクル設備などを提供しています。
生産活動に欠かすことのできない「水」の処理を通じて産業を支え、地域社会の安心・安全な暮らしと、持続可能な環境づくりに貢献します。
排水処理技術の紹介
工場排水には製造工場から排出されるさまざまな物質が含まれており、当社ではそれらの排水に対応した効率的な排水処理システムを提供しています。
製造工場の排水処理システムの一例を業種別にご紹介します。
電子・半導体工場の排水処理システム
電子・半導体工場の製造工程から排出される排水は、フッ素系排水やアルコール類、アミン類を含む有機系排水など多岐にわたります。
また、電子・半導体工場では需要変動が大きいため、生産量の増加や品目の変更に応じてタイムリーな水処理設備の能力増強、更新、改造が求められます。当社では、将来的な設備増強も視野に入れ、排水の種類に応じた効率的な処理システムを提案しています。

電子・半導体工場の排水処理フロー例(フッ酸系排水)
対象排水:
フッ素系排水、過酸化水素系排水、バックグラインド系排水、酸・アルカリ系排水、CMP*1排水、有機系排水(TMAH*2排水、IPA*3排水)、燃焼除害排水
排水処理プロセス:
凝集沈殿法、担体活性汚泥法、膜分離活性汚泥法(MBR*4)、H2O2分解剤法、H2O2触媒分解法、フッ素吸着樹脂法、膜分離法、アルカリ塩素法、還元凝集沈殿処理法 等
医薬品・化学系工場の排水処理システム
医薬品・化学系工場では、製造工程から原材料に由来するさまざまな有機系のCOD*5やBOD*6成分が高濃度で含む排水が多く、また、製造機器の定期的な洗浄排水も排出されます。
排水処理は、有機物を対象とした生物処理が中心ですが、難分解性の有害物質が残る場合には、必要な高度処理設備を付加したシステム構成が求められます。

医薬品・化学系工場の排水処理フロー例
対象排水:
- 医薬品工場の場合:
医薬製造、医薬品原薬製造、バイオ原薬製造、酵素剤製造等の各工程からの排水 - 化学系工場の場合:
塗料製造、酵素製造、各種化学薬品製造など、各工程からの排水
排水処理プロセス:
凝集加圧浮上法、凝集沈殿法、担体生物処理法、膜分離活性汚泥法(MBR法)、高負荷生物処理法 など
その他業種のご紹介
当社では、電子・半導体工場、医薬品・化学系工場のほかにも、さまざまな業種の工場排水に対応しており、導入実績が多数あります。
自動車、機械製造工場
対象排水:切削油系排水(クーラント排水)、化成系排水、塗装系排水(電着系、水性塗料系)、含油系排水、離型剤排水、脱脂系排水、機械加工排水(バレル排水)、蛍光探傷排水 など
鉄道車両整備工場
対象排水:車両洗浄排水、含油系排水(台車洗浄排水) など
化成品工場
対象排水:難燃剤製造、電子機器製造材料、電子機器製造薬品、化粧品製造、シャンプー製造、ゴム製品製造、消火剤製造、機能性樹脂製造、医薬品用機能性化学品製造など、各工程からの排水
メッキ工場
対象排水:シアン系排水、クロム系排水(六価クロム系排水)、酸・アルカリ系排水、銅メッキ系排水、現像剥離系排水 など
汚泥処理システム
物理化学処理設備や有機排水処理設備から排出される汚泥処理システムを性状に応じて、最適な汚泥処理システムを提案します。
適用技術
スクリュープレス式脱水機、フィルタープレス式脱水機、ベルトプレス式脱水機、多重円板式脱水機、遠心分離機・脱水機、その他凝集設備、薬品注入設備などの補機類
汚泥脱水機運転支援ソリューション(開発中、2026年度販売予定)
画像解析AIを活用して、汚泥脱水機の運転を支援する技術です。運転の安定化や運転管理の省人化に貢献します。
ソリューションの特長
- 自動判別:
凝集フロックや脱水ケーキの状態をカメラで撮影してAIが判定 - 脱水安定化:
AIによる凝集および脱水状態の見える化により、運転調整を支援 - 省人化:
AIによる凝集および脱水状態の見える化により、脱水機の調整時間や作業負荷を軽減
適用範囲
- 適用分野:有機排水処理汚泥、無機排水処理汚泥
- 適用脱水機:スクリュープレス脱水機
- 設置条件:凝集槽および脱水ケーキ排出部にカメラが設置可能な点検口を有する設備

汚泥脱水機運転支援ソリューションのイメージ
用水処理技術の紹介
当社では、さまざまな業種の工場に対応した用水・純水製造設備を提供しています。
お客さまのご要望に合わせた処理プロセスをご提案し、安定した水質の用水・純水を供給します。
用水の用途
- 工場稼働に必要とされる生産用水、雑用水(冷却水)、井水、工業用水、純水など
- 処理プロセス:ろ過、除濁、活性炭吸着、除鉄・除マンガン、軟水化、脱塩 など
イオン交換処理
イオン交換樹脂を用いた純水製造の処理フローです。電子・半導体工場などへの導入実績があります。

イオン交換処理のフロー例
RO膜*7処理
RO膜を用いた純水製造の処理フローです。化成品工場などへの導入実績があります。

RO膜処理のフロー例
適用業種
電子・半導体工場、鉄道車両整備工場、医薬品製造工場、食品製造工場 など
排水リサイクル
電子・半導体工場や自動車工場では、製造工程において多量の水が使用されています。水資源を取り巻く環境は年々厳しさを増しており、排水の有効活用は、工場の安定稼働や環境配慮の面からも重要性が増しています。
当社ではお客さまのご要望に応じて、イオン交換やMBR、RO膜を組み合わせた処理プロセスをご提案し、高品質な再利用水の供給により安定した用水量確保、排水量の削減、環境への負荷低減に貢献します。
イオン交換による排水リサイクル
排水をイオン交換で脱塩処理し、再利用を可能にします。

イオン交換による排水リサイクルのフロー例
MBR・RO膜による排水リサイクル
有機物などを含む排水をMBR・RO膜で処理し、工場用水として再利用します。

有機物などを含んだ排水のMBR・RO膜による排水のリサイクルのフロー例
高効率ROシステム
回収率の高い高効率ROユニットを用いて、より多くの水を効率的にリサイクルし、工場内の水利用効率の改善に貢献する、耐汚染性のROユニットです。

高効率ROユニットの運転のイメージ
ユニットの特長
- 低ランニングコスト
- 膜面のスケーリングおよびファウリングを抑制
- 高回収率
- 柔軟な運転管理
- 水質・水量の変動に柔軟に対応可能なシステム
システムの適用範囲
- 原水水質:FI値(SDI)<3、Ec<2,000μS/cm
(物理化学処理水および生物処理水 など)
適用業種
電子・半導体工場、自動車製造工場、化成品工場、食品関連工場、医薬品製造工場 など
設備リニューアル
設備リニューアルの必要性
水処理設備は、製造設備や電気設備に比べて長い期間使用されることが多く、経年により構成機器の老朽化が進行するとさまざまな問題の原因となります。
錆や摩耗により機器の性能や安全性が低下する「物理的寿命」、保守費用や電力コストが増えて効率的な運用が困難になる「経済的寿命」、法令改正により新たな規制に処理システムとして対応できなくなる「社会的寿命」などが挙げられます。
これらの設備寿命を迎える前に、処理能力を維持し、経済的な運用をするためには、計画的な設備リニューアルの実施が重要です。
設備リニューアルと能力増強
当社は、最新技術を用いた水処理設備のリニューアルにより、処理能力を向上するソリューションを提供しています。
担体活性汚泥法
生物処理槽内に担体を添加することで、窒素や有機物の処理能力を高めることが可能です。
- 【特長】
高い有機物および窒素処理性能を達成
処理水槽のコンパクト化が可能 - 【適用分野】
有機物や窒素の規制強化に対応した生物処理設備
膜分離活性汚泥法 (MBR*1)
生物処理槽内に平膜装置または中空糸膜装置を浸漬し、固液分離を行うことで、処理能力の向上と沈殿池の廃止が可能です。
- 【特長】
高品質な処理水の供給が可能
省スペース化を実現 - 【適用分野】
有機物や窒素の規制強化に対応した生物処理設備
- *1
- MBR: Membrane Bio Reactor
設備メンテナンスと維持管理
当社が提供する設備メンテナンスおよび維持管理サービスでは、専門エンジニアによる水質調査や設備点検、デジタル技術を活用した管理システムにより、お客さまの水処理設備の安定稼働を支援し、最適な水質と水量の維持に貢献します。

現地採水・調査

設備点検

タブレット端末からの設備管理
分析・実験・薬剤
当社「環境イノベーションセンタ」内に、水質分析・水処理実験・水処理薬剤販売の拠点を設けています。水処理設備計画に関するご要望に応じて、対象排水の分析、プロセス検討に向けた水処理実験(有機処理、無機処理など)および水処理設備向けの薬剤の選定・販売に対応しています。

環境イノベーションセンタ

分析作業の風景
分析業務
各種水質分析
各種工場排水、下水、純水、超純水などの水質分析
- 生活環境項目:pH、COD、BOD、TOC、窒素 なお
- 純水・超純水関係:微粒子、TOC、比抵抗(電気伝導率)生菌数、FI値(SDI)など
- 現地測定にも対応可能です。
環境計量証明業務
- 水質汚濁防止法に基づく各種測定・証明(生活環境項目)
- 土壌汚染調査(指定調査機関)
水処理実験業務
多様な特性をもつ工場排水に対し、最適な水処理プロセスの提案に向けて、各種水処理実験を実施し、処理条件や設計条件の確認を行います。
対応実験
- 物理化学処理実験:(方式)凝集沈殿処理、酸化・還元処理実験 など
(対象)重金属排水、フッ素排水、含油排水 など
(内容)薬品選定、薬品添加量、最適pHの検討 など - 生物処理実験:(方式)活性汚泥処理、担体活性汚泥処理、膜分離活性汚泥処理 など
(対象)TMAH排水、IPA排水、医薬品製造排水など
(内容)有機処理や窒素処理における反応槽容積、滞留時間の検討 など - その他:砂ろ過処理、活性炭吸着処理など

凝集沈殿処理実験の実施例

活性汚泥処理実験の実施例
水処理薬品の選定と販売
- 実験により選定した薬剤:無機凝集剤、凝集助剤、高分子凝集剤など
- 水処理トラブル対策用薬剤、処理安定化用薬品
- 水処理計器用試薬:フッ素計、全窒素計、COD計などに用いる標準試薬・校正液など
- *1
- CMP: Chemical Mechanical Polishing (化学的機械研磨)
- *2
- TMAH: Tetramethyl Ammonium Hydroxide (テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)
- *3
- IPA: Isopropyl Alcohol (イソプロピルアルコール)
- *4
- MBR: Membrane Bio Reactor (膜分離活性汚泥)
- *5
- COD: Chemical Oxygen Demand (化学的酸素要求量)
- *6
- BOD: Biochemical Oxygen Demand (生物化学的酸素要求量)
- *7
- RO膜: Reverse Osmosis Membrane (逆浸透膜)